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「感染する胃がんと胃潰瘍 (ピロリ菌)」

 ピロリ菌2005年に医学ノーベル賞を受賞したオーストラリアのマーシャル(Marshall)とワーレン(Warren)は、1937年に胃潰瘍や胃炎を持つ患者の胃の中にラセン状の細菌が多数集まり、粘膜の炎症を起しているのを発見しました。つまりこれがヘリコバクター・ピロリ(通称ピロリ菌)であり、当時は酸性の強い胃の中に細菌が住んでいるとは思いもつかなかったのです。翌年にはピロリ菌の純粋培養に成功し、しかも自ら服用して発病を確かめています。

菌の特徴 この菌は、「ウレアーゼ」という酵素を分泌し、胃の中にある尿素を分解することでアンモニアを作り、胃酸を中和しながら住みつきます。特に胃酸が弱く、免疫力が低下している5歳未満の幼児は保菌者より口移しや糞便の汚染などにより感染します。
菌の検査 簡単で優れた「糞便ヘリコバクター・ピロリ検査」があります。検査は、便の表面を決められた棒でこすって容器の液に付け込み、病院へ持参するだけです。(当自費3000円以内)
菌の除去 この菌を退治するには、抗潰瘍剤(オメラップ)と二種類の抗生剤(サワシリン、クラリス)を朝・夕食後に1週間服用するだけで85%が除菌されます。現在、健康保険では胃・十二指腸潰瘍のみに適応されていますが、学会では保険の適応拡大を提出し、ピロリ菌感染者すべてに除菌を推奨しています。(当自費3000円以内)
感染頻度 国民の半数以上が保菌者で、特に40歳を越えた成人に多く、60歳以上では7割が感染していると言われています。
2009年学会 「日本ヘリコバクター学会」は、ピロリ菌の除菌は胃・十二指腸潰瘍だけでなく、早期胃がんや胃ポリープ、胃リンパ腫、さらに特発性血小板減少症にも効果があり、今後の治療と感染予防にも役立つと発表しております。
 特に、年間5万人の方が胃がんにより死亡していますが、除菌により3分の1にまで減少すると言われています。除菌は、胃がんのワクチン的な意味があり、家族内感染や孫の代への予防にもつながります。
 まずは、ピロリ感染症に罹っていないかを検査して頂くことが大事です。
2009.2/1 藤田神経内科 院長


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