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医薬情報116
隠れ糖尿病
 今年(‘06)に入ってNHKの「クローズアップ現代」と「ためしてガッテン」の両方で‘隠れ糖尿病’が放映され注目を浴びています。
 その主要な内容は次の3点です。
T.糖尿病は,毛細血管だけでなく、太い血管も冒すことが分かってきました。
U.糖尿病は,空腹時の血糖が高いだけでなく、食後の血糖が高いのも合併症を来たす原因となります。
V. 血糖の自己測定は,運動と食事制限の重要性を自覚するよい検査です。

 これまで、糖尿病の検査は空腹時の血糖をみてきたのですが、実はこれでは対応が遅いということが判ってきました。動脈硬化
血管内に糖分が多いと血液がベトベトになって血管を傷つけ、それを修復するためにマクロファージが繰り返し出現して管腔を狭めるのです。

 糖尿病の診断が空腹時の血糖値だけで行うと、食後1〜2時間の血糖が140r/dl以上と高い状態で、各臓器の細い血管は傷を受けてしまうのです。そして、空腹時血糖が高い状態で診断されるということは、いわゆる朝食前の血糖が高いということは、前日の夕食後の血糖がかなり高くまで上がり、8時間以上経っても血糖が下がらない状態なのです。これでは、太い血管までが障害を受け続けることになり、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中に侵されてしまうのです。

 これまで境界型糖尿病(空腹時血糖110〜125、食後2時間110〜200r/dl)と呼ばれて、「まだ、合併症を来たしていない」などと真剣に取り組まないでいましたが、この時期こそ、食事と運動で血糖値を正常に引き戻し、合併症を起さない唯一のチャンスなのです。

 この境界型を正確に知る検査として「75g糖負荷試験」があります。この検査は、朝食を摂らずに病院に来て頂き、ブドウ糖を飲んで頂きます。飲む前と30分後、1時間後、2時間後と4回の採血にて血糖とインスリンを測ります。特に、初期インスリン分泌率の低下の有無が大切になっています。

 今や、血糖は自己測定器を購入すれば(1万2千円程度)、体温計や血圧計、ピークフロー(喘息)などと同じように家庭でも簡単に測ることができます。空腹時や食事の1〜2時間後に計り、食事の内容とか運動の影響を知るのに最もよい方法です。
本邦の糖尿病者は、この隠れ糖尿病境を含めると総人口の12%(1500万人)、成人ではなんと四人に一人の割合となります。更に最近では、子供にも広がりをみせつつあり、まさに社会的な病気となっています。
2006.9/7 藤田神経内科病院

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