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白い疫病の復活?

WHO(世界保健機構)は結核、コレラ、マラリヤなどの旧来の感染症が、世界各地でふたたび猛威をふるいだしていると警告している。特に、結核は世界人口の約三分一が結核菌を宿しており、年間に約800万人が臨床症状を示し、そのうち死亡は約300万人である。この数は結核が世界的に大流行した1900前後の年間死亡推定数を大いに上まわり、史上最悪の数字であり、とくにアメリカでは、エイズ患者やホームレス、刑務所、施設の人々が発病するケースが増えており、特に結核菌20〜40歳代の若い患者が問題になっている。さらに悪いことには、結核患者のほぼ半分が薬剤耐性型に罹っている。      

日本では1935(昭10)から死亡原因の第一位を占め続けていた結核は12万人が死んだ昭25年を境に患者も死者も大幅に減り続けた。しかし、1985年(昭60年)あたりから減少傾向が鈍って、ここ10年間は毎年3000〜4000の死者が出ていて、新登録患者数は今でも年間5万人に上がり、その4割は排菌者である。とくに都市部の若年層や高齢者、外国人労働者の罹患率が高い。

結核の集団発生の報告は80年に入って急増している。これは、医業関係に限らず、高校や大学、事業所など若い人が多い集団での報告が増えているが、また、老人ホームでの報告もある。平成4年の夏、和歌山県の耳鼻咽喉科のA診療所で15人の中耳結核と4人の肺結核が出た。この4人の肺結核患者の中にA診療所の医者(43歳)と事務員(32歳)が含まれていた。結核が多かった50年代には、 病理解剖で結核と診断されたうち8割は生前に診断されていたが、最近は2割に下がっていることなど認識の欠如を物語っている。
コッホ博士
結核菌は1882年コッホ(独)によって確かめられた。1944年ワクスマン(米)が土壌よりストレプトマイシンを分離し、その後はこの病気は欧米で減少した。その結果、結核は抗生物質によって克服されたと一般に思われているが、欧米でのそれは医療の介在とはほとんど関係なかった。そして、それはまだ克服されていない。結核の根本は不衛生にあり、産業化とともに人の多さと汚染がこの病気を生んだ。さらに、結核は感染性が高く、菌は薬剤に耐性のある変異型になってきている。

藤田神経内科病院

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